
こんにちは、たけしです。
「あの人は才能があるから」
仕事で圧倒的な成果を出す人を見て、そう呟いたことはないでしょうか。 あるいは、なかなか成果が出ない自分に対して「才能がない」と絶望したことはないでしょうか。
先日、会社の飲み会で面白い発見がありました。 私が以前いた部署は、いわゆる「考えるタイプ(Thinker)」が多く集まる場所でした。論理的で、思慮深く、リスクを検討する能力に長けている人たちです。 一方、現在の環境には、いわゆる「脳筋タイプ(Doer)」と呼ばれる人たちがいます。「とりあえずやってみよう」で動き出し、走りながら考えるタイプです。
一般的に「賢い」とされるのは前者かもしれません。しかし、組織で評価され、実際に大きな成果(いわゆる才能があると言われる状態)を出しているのは、後者であることが多いのです。
「深く考えること」は素晴らしい能力のはずなのに、なぜ結果につながらないのか? 逆に、なぜ「脳筋」的アプローチが最強の才能になり得るのか?
今回は、仕事における「才能」の正体について、少し違った角度から考えてみたいと思います。
「考える人」の罠と「脳筋」の本質
結果を気にしすぎて動けない病
私たち「考えるタイプ」は、行動する前から結果を気にしがちです。 「これをやって失敗したらどうしよう」「もっと効率的な方法があるのではないか」「上司になんて言われるだろうか」 シミュレーション能力が高いがゆえに、未来のネガティブな可能性が見えすぎてしまい、最初の一歩が踏み出せなくなるのです。
その結果、アウトプットの量が減ります。 皮肉なことに、組織や社会は「目に見える結果」でしか人を評価しません。頭の中でどれだけ素晴らしい戦略を練っていても、実行されなければゼロです。 結果が出ないから自信を失い、「自分には才能がない」という結論に逃げ込んでしまう。これが「考える人」が陥りやすい罠です。
「脳筋」はPDCAを高速回転させている
一方で、「脳筋タイプ」はどうでしょうか。 彼らは結果(失敗の可能性)をあまり深く考えません。「言われたからやる」「面白そうだからやる」。動機は単純ですが、とにかく初速が速い。
彼らが優れているのは、「行動」を通じてフィードバックを得ている点です。 やってみてダメなら、その場で修正する。また動く。また修正する。 端から見ると「何も考えていない」ように見えるかもしれませんが、実は彼らは無意識のうちに「行動」と「微修正」のサイクルを高速で回しているのです。
脳筋は「考えない」のではありません。「走りながら考えている(Thinking while running)」のです。 結果的に、彼らは誰よりも早くゴールにたどり着きます。そして周りはこう言います。 「あいつは才能がある」と。
もしかすると、私たちが「才能がない」と嘆いていることの正体は、単に「試行回数が足りていない(行動していない)」だけなのかもしれません。
才能の方程式: 強み × 努力の積分値
では、仕事における「才能」とは一体何なのでしょうか。 私は次のような方程式で定義できると考えています。
1. 才能は「点」ではなく「面積」
才能を「生まれつき持っているキラキラしたもの(点)」と捉えると、持っていない自分に絶望しかありません。 しかし、才能をグラフの「面積(積分値)」だと捉え直すとどうでしょうか。
どんなに素晴らしい「強み」を持っていても、行動という「時間」に対する積み重ねがゼロなら、才能の面積はゼロです。 逆に、多少不器用でも、自分なりの「強み」を見つけ、そこに淡々と行動を積み重ねれば、面積は確実に広がっていきます。
2. 「強み」は自分で育てるもの
私は20代の頃、才能とは「地頭の良さ」のような先天的なスペックだと思っていました。 しかし今は違います。才能とは、環境や経験の中で「後天的に育て上げるもの」です。
私自身の話をすれば、かつて「リーダー業務」を任されたとき、最初は苦痛でしかありませんでした。しかし、粘り強く続けていくうちに、「根回し」や「組織の力学」が見えてきました。 地味なスキルかもしれませんが、それを積み重ねた結果、今では「段取り力」や「調整力」が私の仕事における「才能」として機能しています。
「才能がない」と諦めるのは、まだその種に十分な水(行動)を与えていないだけかもしれません。
環境という変数:上司を使い倒せ
この方程式には、もう一つ重要な隠れパラメーターがあります。それは「環境」です。 どれだけ行動しても、それが自分の「強み」とズレていたり、組織が求める方向と違っていたりすれば、評価という「才能の開花」にはつながりません。
ここで重要になるのが上司とのすり合わせです。
1on1を変える
「上司は自分の才能を見抜いてくれるはず」という期待は捨てましょう。上司も忙しい人間です。見誤ることだってあります。 だからこそ、自分からすり合わせに行きます。
- 「自分はもっとこういう領域で強みを発揮できそうです」
- 「この強みを伸ばすために、こういう仕事を任せてもらえませんか」
年明けの1on1では、ぜひそんな話をしてみてください。 自分の「強み」の仮説をぶつけ、努力(行動)の方向性を合意する。 そうすることで、あなたの行動は徒労に終わらず、確実な「才能」として積み上がっていきます。
まとめ
「才能がない」という言葉は、時に私たちを守ってくれます。 「才能がないから仕方ない」と諦めることで、傷つくことから逃げられるからです。 しかし、それは同時に、自分の可能性に自ら蓋をしてしまう言葉でもあります。
仕事における才能は、魔法ではありません。 「自分は何が得意なのか」を見定め、そこに向けて「愚直に行動し続ける」こと。 その泥臭いプロセスの果てに、誰かがあなたを指差して言うでしょう。 「あの人は才能がある」と。
考えるのは、動き出してからでも遅くありません。 まずは明日、少しだけ「脳筋」になって、目の前の仕事に飛び込んでみませんか。 そこから、あなただけの「才能」の芽が必ず見つかるはずです。
でわ。

